代表番号

0467-46-1717電話

救急は24時間365日受付

QIセンター

QI(Quality Improvement)センターのご紹介

QIセンター長 院長代行 小林 修三
湘南鎌倉総合病院はその理念として「生命を安心して預けられる病院」、「健康と生活を守る病院」を掲げています。これらの理念を実行し、そして「やさしい病院」であることを目指して組織的・継続的に品質改善を推進する目的で、2014年にQIセンターを設立しました。

QIセンター長 院長代行 小林 修三
(QIセンター長
院長代行 小林修三)

QIセンターのQIは、品質改善(Quality Improvement)に由来します。QIにはもう一つ、定量指標(Quantitative Indicator)の意味も込められています。品質改善(QI)は現状の把握と改善ポイントの洗い出し(分析)から始まり対策の立案・実行へと続きます。さらに対策実行の効果を検証し、良い結果が得られていればその対策を標準化することで一つの品質改善(QI)のサイクルが完結します。いわゆるPDCAを進めているわけですが、ここで重要なのは、分析と効果検証に定量指標を用いることです。更に、分析・検証のプロセスに統計解析など科学的なアプローチを加えることで品質改善はより効果的、継続的に進められると考えています。

QIセンターは病院戦略に沿った品質改善を主導する役割を担っています。現在は5つの病院全体指標を設定しプロジェクト方式で品質改善を推進するほか、各部署が戦略的に設定した50余りの部署指標の改善をサポートします。この品質改善活動は組織の上層部、すなわち理事会や役員が参画・指導するという病院のガバナンス体制によって監督・指導されています。

2019年度 病院全体の改善目標と病院全体指標

湘南鎌倉総合病院では、患者、地域、医療、経営、職員という5つの視点の大切さを常に意識しながら、毎年、病院全体の改善目標と病院全体指標を設定しています。病院が直面する課題は、常に起こる社会構造の変化や医療の進歩、地域社会や患者様の医療ニーズの変化に応じて常に変化するものです。そこで、病院全体指標は少なくとも年度毎に再検討・再設定されます。

2019年度は次の5つをWide Indicator(病院全体指標)として改善活動に取り組んでいます。それぞれの指標に、改善を推進する多職種の代表が参画し、プロジェクト方式(当院ではQIプロモーターと呼びます)で改善を推進しています。

2019年度 5つのWide Indicators(病院全体指標)

2019年度 5つのWide Indicators(病院全体指標)

また、病院全体の改善目標に紐づく部署単位での改善指標にも、各部門のリーダーが指名され取り組んでいます。

5つのWide Indicatorの概要

①「待ち時間に関するクレーム発生率の低減化」

例えば電車が遅れれば、誰しもストレスを感じるでしょうが、遅れの原因や復旧の見通しが詳細にアナウンスされれば、そのストレスも多少は軽減するのだろうと思います。外来でお待ちになる患者さんにも同じようなことがあるのではないでしょうか。そこで、私たちは患者さんのお立場で、できるだけの情報を、丁寧にご説明させていただくよう心がけています。

②「退院後7日間以内の予定外再入院率の低減化」

退院して直ぐに、意図せず再入院となってしまう患者さんがいらっしゃいます。2017年から2018年にかけてこの発生率には若干の増加が見られました。まったく異なる病気が理由など、避けられない要因のことも多いのですが、一方で、治療が充分でない状態や、受け入れ態勢の調整が不十分なままで退院を決めるなど、より配慮していれば避けられたかもしれない再入院が含まれていることもあります。退院決定が適切になされているかを常にモニターし、並行して低減化策の手掛かりとすべく要因の探索を開始しています。

退院後7日間以内の予定外再入院率・件数

2018年1-12月 1.79%(390名)
2017年1-12月 1.64%(364名)

③「手術部位感染(SSI)発生率の低減化」

手術のあと、切開創や手術操作が及ぶ臓器・体腔に発生する感染を手術部位感染(SSI)と言います。SSIは深刻な合併症で、当然ながら、この発生抑制は私たちの重要なテーマです。発生率の推移は表の通りで、細かく分析しても全国の平均(JANIS:約900病院の統計データ)と比べて極端な異常値は出ていません。それでも、発生率を更に低減させるべく、症例にさかのぼり検討し、原因を求めています。

病院全体のSSI発生率の推移(12ヵ月 2019年2月速報値)
病院全体のSSI発生率の推移

④「新入院患者数の増加」

「患者さんを断らない」ことが当院の原点の一つで、地域社会の医療ニーズに応えることだと考えています。これに則り、「なるべく早急に、ひとりでも多く、困っている患者さんにご入院いただける体制を構築する」趣旨で設定したのがこの指標です。
当院には、早急な治療を必要とする重症の患者さんが数多く来院されます。急性期に対応する病院の機能を発揮するためにも、こうした方にはなるべく直ぐにご入院いただきたいのですが、病床に多少でも余裕が無ければ物理的に叶いません。
そこで、地域連携を強化するほか様々な手段で、在院日数を全体的に短くすることで病床の利用状況に余裕を持たせ、必要な患者さんが直ぐに入院できる体制を構築することが、活動の狙いです。

新入院患者数の増加

⑤「医療用ライン・チューブに関するトラブルの低減化」

効果的に薬剤や輸液を体内に届けられるように、或いは、必要な栄養を経鼻で胃に通せるようになど、病院ではカテーテルほか、多くのライン・チューブが治療目的で使用されます。これらに関するトラブルは報告件数も多く、低減化への取り組みが求められています。患者さんが自分で抜いてしまう場合も少なくありませんが、こうした場合にも対策はあり得ます。安全な療養環境と、最善の治療を提供する上で、起きるべきでないこのトラブルの低減に取り組んでまいります。

湘南鎌倉総合病院 QI大会

病院が品質改善をより効果的に進めるため、当院では毎年QI大会を開催しています。院内各所から募った多数の中から特に優れたQI演題を、さながら学術集会のような雰囲気の中でそれぞれの担当者が発表します。職員間の投票により最も秀れたQI演題を選考し表彰する内容です。
QI大会は、日ごろの品質改善活動を称え、より良い活動のための知識を共有し、職員ひとり一人の品質改善(QI)への理解を深め、意識を高める効果を狙っています。

第6回を数える2019年度のQI大会は9月20日に行われ、予め選考された25のQI演題の中から、次の5つが受賞しました。

会場の様子
(会場の様子)

ポスターセッション
(ポスターセッション)

授賞式
(授賞式)

最優秀QI賞

薬剤師による入院前支援の取り組み
宮田 祐一  薬剤部 副主任

手術に際し、例えば血液を固まりにくくするお薬など、休薬を予めお願いする場合があります。しかし、なぜ、どの薬剤を休薬すべきか的確にお伝え出来ないまま手術間際(前日の入院など)を迎え、休薬できておらず、手術が延期となってしまう事態が発生していました。そこで、薬剤師が立ち上がり、手術予定の患者さんに対する外来患者面談を通じて、休薬の説明、指導、確認する活動を2015年8月に4つの外科系診療科で開始。2018年10月までに約700件の休薬指導を行いましたが、このうち休薬できなかったのはわずか1件(0.1%程度)、手術延期などはゼロとなりました。

最優秀QI賞

バスキュラーアクセス関連感染の低減化
種山 かよ子  ME室 副技士長

血液透析を行う際に必要な、患者さんの体側の血液の出入口をバスキュラーアクセスと言います。種類がいくつかある中で、今回、特に着目したのはグラフト(人工血管)の感染対策でした。感染を来した場合に特に深刻なことになりやすいからです。衛生管理が感染対策の一番の方策と考え、勉強会や直接指導を通じて患者さんのご理解をいただき、透析前にシャント肢(腕)の洗浄を徹底していただきました。2年間で手洗い率は42%から89%に上昇、年間4件発生したグラフト感染はゼロになり、グラフト以外(内シャント)の感染の発生件数にも減少傾向が見られました。

ポスター奨励賞

外科専攻医の負担軽減の取り組み
河内 順  外科・副院長

伝統的に長時間労働を受け入れてきた外科医ですが、近年働き方改革が推進される中で、外科専攻医・研修医の量的・質的な負担が課題になってきています。 今回取り組んだのは、当直の担当をスタッフの外科医にシフトし、専攻医・研修医の当直を減らし、その影響を検討することでした。残念ながら統計上はインシデントの減少という結果は得られませんでしたが、彼らの負担が軽減していることは事実であり、外科専攻医・研修医のQOLや睡眠時間、自習時間のほか、インシデントの発生抑制や、より迅速で的確な治療などをデータで捉えていきたいとしています。

QI奨励賞

手術中に待機している家族への支援
大川 真由  看護部 副主任

手術の終了を待つご家族は、患者さんを自分のこと以上に思うことから、不安や恐怖といった大きなストレスを受けていると感じてきました。こうしたご家族のご要望、また、安心できる環境がどういったものかを明らかにして、対策を講じるというのがこのQIです。アンケート結果に基づき、まずご家族に対する手術中の情報提供を強化しました。予定の手術終了時間が来る前に、ご家族に手術の状況を説明させていただくことで、42%の方から情報提供は充分であったとの回答をいただきました(以前は27%)。今後は、情報提供の仕方をより最適化するとともに、専用ブースやモニター設置など、環境の改善を進める計画です。

QI奨励賞

転倒転落予防(13階病棟)
割田 佳奈子  看護部 副主任

13階病棟にご入院される腎臓内科の患者さんには、転倒転落を来した場合に重大な転帰となりやすい、ご高齢者や病態に伴う骨粗しょう症の方が多数おられます。対策として、今回、発生率の高い夜間の転倒転落の予防に取り組みました。夜、病室が暗くて足もとが見えにくいことが転倒の要因であるとの仮説に基づき、睡眠を妨げない程度の明るさのセンサー式フットライトを取り付けました。その結果、全体に占める夜間帯(21時~6時台)での転倒転落発生率は、46%から29%へと大幅に低減しました。
今後は、フットライトを付けても転倒してしまった事例を検討した結果を受け、ベッド周辺の手すり対策による更なる転倒転落予防を目指します。また、フットライトによる対策は、他の病棟にも紹介していきたいとしています。

演題数は年々増加し、今回の25演題は過去最多となります。内容も、着眼点の多様化と発想の新しさ、実行と成果を伴う具体性など、年々、充実していますが、「より良くあり続けよう」とするQIの活動にこれで良いと言える終着点は無く、今後も病院一丸で取り組んでいきます。

湘南鎌倉総合病院のクオリティーインディケーター(QI)
医療の質を表す数値・指標

当院において安全・安心の確保と医療の質を向上するため、日ごろ患者さんに提供する医療やその他の提供業務内容を数値化し客観的に把握できるように計測しています。その数値と根拠を分析することにより、問題点や潜在的なリスクを明確にし、計画的に改善策を実施していく活動を推進しています。

この取り組みにより、多くの部署が前述の病院全体の指標のみならず、部署独自の指標を計測しています。また、当院の内容をより客観的に把握するために、国内の多くの病院が参加する日本病院会のQIプロジェクトに参加しています。厚生労働省の補助事業として実施された医療の質の評価・公表等推進事業が前身となるQIプロジェクトでは一定の提出データから統一定義に基づいて数値化が行われます。

病院特性・地域性や重症度などを考慮せずに単純な数値の比較のみでは病院の医療の質の優劣は判断できませんが、それらの数値の理由を確認・分析し、継続的な改善に取り組むことが必要となります。
日本病院会 QIプロジェクト

QIプロジェクト報告書(指標の解説)

当院のクオリティーインディケーター(日本病院会 QIプロジェクト指標)

患者満足度

患者満足度(外来患者)
推移
患者満足度(入院患者)
推移

患者満足度の指標について

高い値が望ましい

設問 この病院について総合的にどう思われますか?
回答 「満足」または「やや満足」の割合
回答選択肢 満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満

※2017年度 QIプロジェクト結果報告 一般社団法人 日本病院会

入院患者の転倒転落

入院患者の転倒・転落発生率
推移
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(損傷レベル2以上)
推移
入院患者の転倒・転落による損傷発生率(損傷レベル4以上)
推移

入院患者の転倒転落の指標について

低い値が望ましい
※2017年度 QIプロジェクト結果報告 一般社団法人 日本病院会

褥瘡発生率

褥瘡発生率
推移

褥瘡発生率の指標について

低い値が望ましい
※2017年度 QIプロジェクト結果報告 一般社団法人 日本病院会

救急車ホットライン応需率

救急車ホットライン応需率
推移

救急車ホットライン応需率について

高い値が望ましい
※2017年度 QIプロジェクト結果報告 一般社団法人 日本病院会

※当院では、1件もお断りすることなく、救急要請に対応させて頂いております。
掲示しているデータには、「患者さんの強い意向により搬送自体が見送られる」、「要請があったのちにかかりつけ医に連絡がつき搬送先が変更になる」など、
救急要請した側の理由により搬送されないといった特殊なケースが含まれており、こうしたケースを除くと、当院の救急ホットライン応需率は100%です。

退院後6週間以内の救急医療入院率

退院後6週間以内の救急医療入院率
推移

退院後6週間以内の救急医療入院率の指標について

低い値が望ましい
※2017年度 QIプロジェクト結果報告 一般社団法人 日本病院会

急性心筋梗塞関連プロセス指標

急性心筋梗塞患者における入院時早期アスピリン投与割合
推移
急性心筋梗塞患者における退院時アスピリン投与割合
推移
急性心筋梗塞患者における退院時βブロッカー投与割合
推移
急性心筋梗塞患者における退院時スタチン投与割合
推移
急性心筋梗塞患者における退院時ACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合
推移
急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合
推移

脳卒中関連プロセス指標

脳卒中患者のうち第2病日までに抗血小板療法を受けた患者の割合
推移
脳卒中患者のうち退院時抗血小板薬処方割合
推移
心房細動を伴う脳卒中患者への退院時抗凝固薬処方割合
推移
脳卒中患者の退院時スタチン処方割合
推移
脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者割合
推移

湘南鎌倉総合病院 品質改善体制

QIセンター体系

お問い合わせ : QIセンター事務局 主幹 原田 憲成/主任 原 怜大

PAGE TOP

© Shonan Kamakura General Hospital.

職員の方へ