代表番号
救急は24時間365日受付

0467-46-1717電話

  • youtube
  • instagram
  • line
  • facebook

よくある質問

胸壁外科(漏斗胸) メニュー閉じる開く

私は重症ですか?軽傷ですか?手術を受けた方がいいでしょうか?手術を受けた方がいいと判断する基準は何ですか?

陥凹の程度や左右差、体型には患者さんによって違いがあり、計測値から一概に判断比較することには無理があります。小児に安静が必要で被爆量が多いCT検査を初診時に行うことは回避したいと考えています。患者さん自身の握り拳が埋まるよりも大きな変形がありご本人とご家族が手術を希望すれば手術を考慮します。胸痛や呼吸の苦しさ、疲れ易さなどの症状や、精神的な影響、心電図や胸部レントゲン写真で心臓や肺が圧迫されている客観的な所見も手術を考慮する要素になります。

どのような手術方法、病院、医師が良いのでしょうか?

胸郭変形疾患は小児外科、形成外科、呼吸器外科などで診察されていますが専門とする医師は多くはありません。私達は胸壁外科として専門外来を設けています。私たちの考え方は本文にも記しましたが以下の通りです。
漏斗胸手術は、強い症状がなく、運動制限もない子供さんに施行する事が多い手術です。そのため長期入院を要したり、生命に危険が及ぶような合併症が起こらないことが必要条件です。
術後長期にわたって痛みや運動制限が続くこと、異物が残っている精神的な負担や取り出すための再手術も子供さんにとってつらい経験となると考えています。
手術に適する年齢が限られていてある年齢まで待たなければならない方法はその間の精神的負担は少なくないと考えます。
子供さんは成長します。そして胸は呼吸のたびに動く臓器です。この動きをいかに残して矯正するか、呼吸機能と成長に影響を与えないで漏斗胸を直すことが我々の目標です。我々の考える低侵襲とは合併症がないこと、失敗なくすべての患者さんに同様の結果が得られること、入院が短い事、一回の手術で完結すること、痛みが続かないこと、術後長期の運動制限が無いこと、術後呼吸機能に異常が残らないこと、成長を妨げないことなどです。たとえばスポーツ選手になるという将来の夢のためにがんばっているお子さんを何年間も夢から遠ざけることは大きな侵襲であり避けなければならないと考えています。
どのような手術法でも漏斗胸手術には経験がとても重要です。患者さんによって体型や胸郭の形だけでなく胸郭の弾力や可塑性が大きく異なるからです。典型的な写真などで判断せずに、十分な経験を有し、手術数だけではなく、手術を受けるのに最も適した年齢、合併症の頻度、疼痛が遷延する頻度とその対策、すべての運動ができるのはいつからか、などを医学的に検証して(コラムvol.05参照)明らかにしている信頼できる医師に相談してください。

低侵襲手術とはなんですか?

手術による悪い影響(=侵襲)が少ない手術が低侵襲手術です。たとえば、小さな穴のような切開から手術をしても、手術の質が落ちて結果が不完全だったり、また合併症が多かったり、痛みが続いたりすれば、それは低侵襲手術ではなく、「切開が小さい手術、傷が目立たない手術」に過ぎないと考えています。傷の位置、大きさ、何を切るか、異物を用いるか否かなどは、侵襲を小さくするための手段でありますが、それ自体が侵襲を評価する指標ではありません。すべての患者さんが、合併症なく、早期に、運動制限なく、元の生活にもどり、そのままずっと元気でいることが、我々の考える低侵襲手術です。そのために私たちは小さな創から、異物を留置しない漏斗胸手術を行っています。

胸肋挙上術変法とナス法との違いはどのような点ですか?

ナス法では金属バーが肋骨の間を通過する側胸部を支点にして陥凹を押し上げますが、胸肋挙上術では肋骨と肋軟骨の弾力によって背骨から胸骨まで胸郭全体が引かれて左右差や突出も良く改善します。また前後径が薄い胸郭を改善します。
合併症が少ないことが胸肋挙上術の利点です。600人以上の方に行って重大な合併症は起きていません。ナス法では、バー挿入時に心臓を損傷してしたり、抜去時の癒着による大量出血などの手術時の重篤な合併症や、手術後のバーのずれ、感染、出血、肺炎などの合併症が約10%に見られると報告されています。
Nuss医師は思春期の急激な成長がほぼ終了する12-15歳まで待ってから手術を行うことを推奨しています(Ann Cardiothac Surg 2016:5; 493-500)。体が成長するとバーが合わなくなってしまうからです。また思春期前にバーを抜くと陥凹が高率に再発すると報告しています。胸肋挙上術は小学校入学前や低学年の患者さんに対して特に良好な形に矯正することが可能です。小学生になると胸の形を気にするお子さんが増えますが、胸肋挙上術は小学校に入学して精神的な影響が出たお子さんを数年間待たせることは致しません。また成人の方でも40歳程度までであれば、年齢を理由に手術をお断りすることはありません。
ナス法では数週間から数か月痛みが続き、Nuss先生など欧米の医師は退院後も麻薬を投与しています。胸肋挙上術では約6日で退院して、その後は痛み止めが必要な痛みはほとんどありません。年齢が低いほど痛みは早く消えます。
体内に異物を置かないので、再手術は必要なく、活動が制限される期間が短いのも胸肋挙上術の利点です。約1か月で登校、勤務が可能で、3か月目以降はすべての活動に制限はなく、サッカーや水泳、野球、バレエなども可能です。
我々は手術によって肋軟骨を切って再縫合することと、長期間胸郭を金属で固定する事を比較して前者がより低侵襲であると考えています。
胸肋挙上術とナス法を比較してから手術を決めていただくようにお勧めしています。思春期前にナス法での手術を勧める医師には、Nuss先生が否定している年齢で手術を行う理由を聞いてみてください。

どのくらいの期間で手術できますか。手術後に生活の制限はありますか?

胸肋挙上術では手術前に一度必要な検査を受けていただき、手術前日に入院します。手術翌日には歩行可能で、1週間以内に退院できます。退院直後に飛行機、新幹線等で遠くのご自宅に帰ることも可能です。退院後には痛みはほとんどなく、ほぼ術前の元気さに戻りますが、軟骨の癒合が十分な強さになるまで退院後約3週間の自宅安静が必要でその間は登校、勤務ができません。体育の授業、スイミング、ジャングルジムや自転車など胸を打つ危険があること、ウエイトトレーニング、重量物の運搬などは3ヶ月ほど避けてください。3ヶ月目以降はまったく制限はありません。

どのくらいの費用で手術できますか?

漏斗胸の診察、手術は健康保険の対象です。厚生労働省の取り決めで紹介状がないと初診料が割高になります。健康保険の自己負担額の上限額は収入によってきまっていてそれを超過した分は高額医療として補助されます。この上限額は職場(社会保険)や自治体(国民保健)の担当者に問い合わせて入院時に限度額証明書をお持ちください。胸肋挙上術では胸郭固定用の金属棒の材料費(1本約18万円)、内視鏡使用の加算(約10万円)分の医療費がかかりません。また入院期間も短いため、特に成人で30%を自己負担していただく場合には他の術式と大きな違い出ます。また異物除去のための再入院再手術も不要です。ほとんどの自治体では小児の入院費を負担してくれますがその年齢は自治体によって異なります。18歳未満で心臓、肺が圧迫されて機能障害を生じている方は自立支援医療(育成医療)の対象になり原則として90%が公費で負担されます。(保険制度、公費補助制度は変更される可能性があります)

近所に専門医がいますか?

漏斗胸に関して十分な知識と技術を持った医師は多くありません。本文で述べたような漏斗胸に関する知見は医師の間にも周知されているとは言えません。「漏斗胸は命にかかわる疾患ではないから手術はしないほうがよい」という考え方や、逆に、心臓や肺が圧迫されているから手術をした方がよい、と心配をあおる医師もいるようです。私たちの行っている胸肋挙上術変法とラビッチ法など過去の術式の違いは理解しにくいようです。漏斗胸の診察、手術には経験が極めて重要と考えます。一生に一度の手術ですので経験豊富な信頼できる医師を探すことをお勧めします。私たちは湘南鎌倉総合病院の他に名古屋徳洲会病院、沖縄中部徳洲会病院、喜界徳洲会病院、神戸徳洲会病院などでも診察を行います。詳細はメールでお問合わせください。

希望の期日に手術を受けたいのですが?

できる限りご希望の時期に手術を行えるようにいたします。7月中旬から8月中旬までや12月には学童、生徒の患者さんを優先して手術の予定を組みます。すでに受診されていて夏休みに手術をご希望の方は例年4月1日以降にメールでご希望を伺います。

女子医大の方法は古くて侵襲が大きいと言われました。胸肋挙上術は他院では行っていないのでしょうか?なぜ普及しないのでしょうか?

胸肋挙上術の原法は1981年に東京女子医科大学第一外科(現呼吸器外科)で小学生以下の患者さんに対して開発されました。中学生以上の患者さんには胸骨翻転術が行われていました。年間200人以上の患者さんが手術を受けていたことや、高名な和田壽郎教授が開発した方法であることなどから、多くの医師の記憶に残っています。しかし体型や陥凹の形の個人差、年齢等による胸郭の可塑性の差が大きいので、熟練が必要であり、いずれの術式も次第に行われなくなりました。私たちは胸肋挙上術に改良を加えて成人に対しても施行できるようにし、原法をしのぐ良好な結果を得ています。改良を加えることによって手術の後の形態はより良くなりましたが、手技にはさらに熟練を要するようになり、胸肋挙上術変法を行っているのは私たちだけです。飯田はNuss法漏斗胸手術手技研究会の世話人を務めておりナス法を行う医師とも交流して胸肋挙上術変法を紹介しています。最近の10年間で20回以上の学会発表を全国または国際学会で行い普及に努めています。日本、米国、ヨーロッパのそれぞれの胸部外科学会の機関誌にその論文が採用されており、胸肋挙上術変法は世界的に認められた方法です。学会発表や論文には審査があり、それを通った論文だけが発表されます(コラムvol.05参照)。しかし30年以上前の方法と混同する方がいまだにおられますので、今後も普及に努めていきます。

術後の通院はどのくらい必要でしょうか?

原則として術後1週間程度で退院した後は、3週後(術後4週)、3ヶ月、6ヶ月、1年後の4回です。3回目以降は学校の休み等に合わせて前後させることが可能です。
この定期の受診時以外に受診が必要になる事はほとんどありません。

入院中の付き添いはできますか?家族を呼ぶ必要がありますか?

ご自宅が遠い方が多いので、原則として中学生以下の方には付き添いをお願いしています。また成人の方も手術の前に成人したご家族にも手術の説明をいたします。

他の病気で通院中です。

感染症などの治療可能な病気は、治療してから漏斗胸の手術を行います。喘息の方は、手術前1か月以上は喘息発作が起きていないことが必要です。内服、吸入薬は入院時にご持参ください。長期に渡って内服治療を続けている疾患がある方は術前にご相談ください。入院前後は、インフルエンザなどの感染症にご注意ください。成人の方では肺合併症を防ぐために、術前1か月以上禁煙していただきます。

手術時間はどのくらいかかりますか?

小児の場合は2時間ほど、成人では3時間ほどです。現在では麻酔が安全に施行できますので極端に手術時間が長くない限り、手術時間の長短はあまり気にする必要はありません。

手術を受けるべきかどうか迷っています。手術を受けるつもりはありませんが診察を受けたいです。

胸郭変形疾患について診察し、正確な情報をお伝えする事が私たちの使命と考えています。そのために今までの患者さんのデータを整理し、統計学的、医学的に正しい方法でまとめて学会などに発表しています。ナス法についても学会や論文で研究しています。このような経験に基づいて診察してお話しいたします。手術を強くお勧めすることはありませんので、手術を希望されない方でも受診して下さい。今までに0歳の乳児から82歳までの患者さんがご来院されました。

手術を受けた患者さんのお話しが聞きたいのですが?

私たちの方法で手術を受けた方にはご満足をいただいております。しかし特定の患者さんやご家族の感想を公表することは医学的に偏ってしまう可能性もあり差し控えます。(コラムvol.13参照)ブログなどで公表されている方もいらっしゃいます。

ネットには〇〇と書いてありましたが?

インターネットには玉石混交の情報があります。医療情報サイトは医師や病院から掲載料を取る場合と広告料で運営している場合があります。いずれにしてもサイトの収入のためになる情報が選ばれている可能性があります。匿名の情報は真偽を確かめようがありません。以下のようなサイトは信用ができる可能性が高いと考えています。

  • 責任者がはっきりしている。
  • 個人的な感想などではなく、信頼できる医学論文を引用したり、過去の治療の効果を統計学的手法に基づいて分析して(コラムvol.05参照)、効果だけではなく合併症など欠点も述べている。漏斗胸手術の場合は運動の制限や痛みが続く頻度や期間なども述べている。
  • 十分な治療実績がありその結果を統計的にまとめて公表している。漏斗胸手術には十分な経験が必要です。
  • メール等で質問ができる。

湘南鎌倉総合病院の受診方法は?

神奈川県鎌倉市にあり、最寄駅はJR大船駅です。交通手段等はアクセスページをご覧ください。
漏斗胸、鳩胸を担当する胸壁外科の外来は金曜日の午後です。電話(代表0467-46-1717)で胸壁外科外来に連絡して予約してからご来院ください。十分に時間をとってお話いたします。かかりつけの病院がない方は紹介状はいりませんが、その場合には厚生労働省の取り決めで初診料が若干高額になります。外来、入院中の診察は飯田浩司、深井隆太、西田智喜を中心として行います。

他の病院の受診方法は?

名古屋徳洲会総合病院は愛知県春日井市にありJR中央線高蔵寺駅北口から徒歩5分ほどです。電話(0568-51-8711)で心臓外科・胸壁外科外来に連絡して予約をしてからいらしてください。
喜界徳洲会病院、神戸徳洲会病院では不定期に外来診察を行います。代表電話からお尋ねください。
上記では飯田浩司、沖縄中部徳洲会病院では外科河本宏昭、小児科新里勇二が外来診察を担当します。電話で連絡してから受診してください。

質問

電話では十分に時間をとってお答えすることができません。メールでご質問いただければお答えいたします。(専用メールアドレス:funnel@shonankamakura.or.jp)
このメールは飯田に直接届きます。数日以内にお答えしておりますが、PCや携帯電話の設定によっては当方からの返事が迷惑メールに分類され届かないことがあるようです。返事が届かない場合には迷惑メールホルダーを調べたり、異なったアドレスから再送信してください。また一度受診された方は、患者さんのお名前を件名にして、性別、年齢、診察券の番号を本文に記していただければ、より正確に質問に対するお答えや手術予定のご案内もできます。

トップページに戻る

PAGE TOP

© Shonan Kamakura General Hospital.

職員の方へ 委託業者の方へ